丸の内カフェで"PORTUGAL~ARTE E POESIA”開催中!

2011年1月26日(水)に、丸の内カフェ(千代田区丸の内3-3-1 新東京ビルジング1F)で旅と英会話スキルのセミナー”「私だけの旅」をつくる簡単英会話”の講師を勤めさせていただきました♪受講者の皆さんが、ノリノリで発音練習を一緒にやってくださったので、嬉しかったです。
http://www.marunouchicafe.com/seminar/index.html#20110126

2010年6月1日(火)~14日(月)に丸の内カフェにて、ポルトガルで描いてきた水彩画風景を展示。おかげさまで沢山の方にご来場・ご鑑賞頂きました。ありがとうございます♪

(日本ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントです↓)

http://www.marunouchicafe.com/gallery/index.html#20106130

December 25, 2010

Sicilia 2010 Giorno 5 -- シチリア冒険記(6)













Because we were really in love with the beautiful resort town Taormina, we decided to stay there as long as we can... before we left for Palermo; the final destination of this tour. Besides, we could hardly leave here without eating the World Famous Spaghetti with Sea Urchin source.

<Giorno 5: グランブルーの世界でウニスパを堪能して夕刻、パレルモへ>目が覚めると真っ青な空!昨夜あんなにお腹いっぱいだったのに、ぐっすり眠ってすっかり消化してしまったようです。海とエトナ山が望める朝食ルームに行くと、焼き立てパンとキッシュの良い香りが・・・。南イタリアでは朝甘いものを食べる習慣らしく、パレルモでもラグーサのホテルでも甘いモノが充実していたのですが、このホテルはアメリカ人が多いからか、ベーコンや卵も充実しています。でももちろん、甘いものもこーんなに充実。パンやハム、卵のテーブルとは別に「甘いものテーブル」があって、朝からこんなに魅惑的にアピール・・・危険すぎます。本当は全部食べたいところですが、お昼のことも考えて抑え気味に・・・(でも結局、キッシュとケーキの両方少しずつ食べちゃいました♪)。律ちゃん曰く「このホテルには連泊して、全種類制覇したいね」とのこと。私も同感!次にここにきたら3連泊かな。

朝食後は身支度&荷造りして再びタオルミーナのダウンタウンへ。荷物と車はこのままホテルに置いて、夕方出発するまでゆっくりShopping&スケッチ、そしてグルメを堪能です。私は昨夕から気になっていた名物カフェ「Wunderbar」前にある美しい階段をスケッチする事にしました。その間に律ちゃんはお買い物です。特等席に陣取ってカプチーノを注文してスケッチブックを開くと、店員さんはウインクして「ごゆっくり」と放っておいてくれました。

「どうMINAちゃん?あ、随分描けたねー」

40分ぐらいして律ちゃんが戻って来て撮ってくれたのがこの1枚。仕上げまであともう15分ぐらいかな・・・。律ちゃんも隣りに座って乾いた喉を冷たいレモネードで潤します。絵が仕上がったので、風景と一緒に写真を撮ってもらいました。すると店員さんも絵を見にやってきます。

「ちょっと借りてもいいですか?」と私のスケッチブックを手に、店内をあちこち回っています。どうやら少し離れた席のお客様もずっと私の絵が気になっていたらしく、絵を見ると次々に「Beautiful!」とか言いながら手を振ってくれます。すると絵と一緒に店員さんが「記念にどうぞ」と全く同じ構図で印刷されたお店の絵葉書をくれました。嬉しいな♪

食後は商店街をメッシーナ門方向に歩き、グリークシアターの横からケーブルカーでビーチへ。ホテルの人お薦めのレストラン「Barcaiolo」に向かいます。まさに映画「グラン・ブルー」の世界そのままの雰囲気で、やはりここでも名物のシーフードを注文します。

恐々お店の人に「今日、ウニは?」と聞くと「もちろん、ありますよ!」と嬉しいお答え。魚介のサラダを前菜に頼み、二人でそれぞれ待望のウニ・スパゲッティーを一皿ずつ注文しました。

魚介のサラダは・・・予想していたのとちょっと違ったのですが、間違いなく「海の幸」が満載。あっさりしていてとても美味しいです。そしていよいよ真打「ウニのパスタ」が登場!イタリア語でウニは「Ricci di Mare」なのですが、まさに名前通りのリッチでとろける味わい・・・美味しくて気絶しそうです。私が作るウニパスタはトマトベースなのですが、このレストランではバターベースのようで、本当に濃厚なのでした。

優雅なランチを終えて時計を見ると・・・そろそろホテルに戻る時間です。タオルミーナからパレルモまでは3時間のドライブなので、3時過ぎには出発しないと・・・。本当はここタオルミーナにもう1泊したいところなのですが、律ちゃんのチュニジア帰国便が翌日のお昼なので、今夜はパレルモまで戻らないといけないのです。タクシーでホテルに戻ると、荷物は全て車に積まれた状態でスタンバイしてありました。本当、至れり尽くせりの宿・・・。

お別れを告げていざ、パレルモへ。カーナビも英語モードなので、今度は自分で今夜の宿のアドレスを入力できます。メッシーナ経由でイタリア半島を右に見ながら、海沿いの道をひたすら走ります。パレルモに近づくにつれて道も渋滞しましたが、ちょうど3時間ぐらいでパレルモ市内に到着。順調です。しかしここからが実は本番。パレルモ市内の道は一方通行が多い上、狭い路上には両脇に車がびっしり停まっているのです。

パレルモ中央駅をかすめつつ、港沿いの道を行くかと思いきや、カーナビはその手前の一通に誘います。仕方なく狭い道に入って徐行しながら走っていると「バシっ!」っと大きな音が。驚いた律ちゃんが声を挙げています。今度は一体何が?

--次回に続く。

December 21, 2010

SIcilia 2010 Giorno 4-II シチリア冒険記(5)





Finally, Ritsuko and I are ready for driving up to Taormina, the world Famous Sicilian resort city. Heading toward Mt. Etna and beautiful ocean, our adventurous tour in Sicily continues...
The GPS, too, now speaks English, so we are much confident with driving the beautiful island.







懸案だったパンクタイヤの交換を無事に済ませ、いざタオルミーナへ。イタリア国内のみならず、海外でも屈指の美しさを誇る風光明媚なリゾート地に出発!です。自動車修理工場の会計担当、フランチェスコにカーナビの入力設定を英語に切り替えてもらったので、道案内も楽々です。お天気も良いし、時速120kmで高速を飛ばせば、2-3時間で到着できるはず♪ なので、お昼はタオルミーナで我慢することにしました。
 
格調高いQueen's Englishで誘うカーナビの指示に従いながら、順調にカターニャ/メッシーナ方面に走ります。

MINA「律ちゃん、このカーナビの英語は違うねー。『プリペアー』じゃなくて『プリパァアー』だって」
律ちゃん「ホントだ!やっぱりベンツのカーナビとなると、違うね」
MINA「昔、ダイアナ妃がスピーチしているのをTVで観たんだけど、児童福祉のお話をしてたのね。それで、話の途中で何度も『チャイルド・キャー』って言ってるんで、一体何の事かとおもったら『Child care』だったよ」
律ちゃん「あはは・・・」
他愛ない会話をしながらご機嫌のドライブを続けていると、車内にいきなり「ポーン」と不穏な電子音が鳴り響きました。な・・・何事?恐る恐るインディケーターを覗き込むと「例のメッセージ」が表示されています。何で?今、タイヤ交換したばかりなのに!まさか、また別のタイヤがパンクしたとか?
えぇーっ、まさかそんなぁ!!
 
運転していて何の違和感もないので、不思議に思いつつも次のサービスエリアに立ち寄ってタイヤの状態をチェックすることにしました。車を停めておそるおそるタイヤを覗き込むと・・・?
異常なし・・・。

どのタイヤにも空気がパンパンに入っています。もしかしたら、ベンツはタイヤが新品ではなく中古だったことに気付いてご機嫌斜めなのでしょうか・・・?

とりあえずサービスエリアのコンビニで水を買って、エンジンを再スタートさせると、何事も無く走り出しました。何で警告が出たのか謎ですが、ひと安心です。ところが、30kmぐらい走ったところで、再び「ポーン」と警告音とメッセージが出て来ました。走行感覚に変化は無いので、とりあえずハンドルにある「OK」のボタンを押すと、ベンツは静かになってインディケーター画面も再び通常表示に戻りました。さっきもそうでしたが、走り出して30kmになるとあの警告が出るみたいです・・・いずれにせよ、謎です。

お昼を少し回ったところで、シチリア第二の都市カターニヤの入り口に差し掛かりました。右手には海岸線が、左手には活火山であるエトナ山が見えて来ました。いよいよ、海辺の町への入り口に近づいて来た気配です。カーナビの指示通り快走していると、高速を降りてカターニア方面への道に入った途端、「工事中なので迂回」のサインと共に道が閉鎖されちゃってます。仕方なく、迂回の方向に行くと、混乱したカーナビがQueen's Englishで行けない道へと必死に誘導しようとしています。海沿いの道に向かっていたはずが、迂回路はひたすらエトナ山の方向に誘います。

不安になりながら郊外の寂しい下道を5キロ程走り、今度は右折。エトナ山を再び左に見ながら北に2-3キロ走ったところで、ようやく「メッシーナ方面こちら」の案内を見つけました。混乱して訳の分からない誘導(そんな時でも美しいQueen's English)をするカーナビは無視しながら、「メッシーナ方面こちら」を信じて更に10分ぐらい走ったところでようやく再び高速道路に乗れました。さっき迂回させられた所とほとんど景色が変わらないような気もしますが・・・とりあえずこちらで良いようです。

迂回したせいもありますが、カターニヤは予想以上に大きな町で、タオルミーナへの道のりは思っていたより遠かったのでした。

ようやくカターニヤの街を抜けたので、遅れを取り戻すべく、時速120キロぐらいで飛ばしながら北上を続けると、30分ぐらいでタオルミーナ方面の下道に下りるサインが見えて来ました。海に突き出た山沿いの道をクネクネ曲がりながら街に下りて行きます。下道に下りてから5分ぐらいでタオルミーナ駅にぶつかり、そこからは再び海沿いの上り坂を行きます。すると程なくしてタオルミーナのダウンタウンの入り口「Porta Messina(メッシーナ門)」が見えて来ました。

急坂を登ってメッシーナ門を右折して、さらに細い山道を登っていきます。双方向の道なので、カーブ毎に対向車をやり過ごしながらゆっくり進んで行きます。通り名が「Via Leonardo da Vinci」と、今夜泊まるホテルの所在地と同じ名前になったので、この通り沿いに目的地がありそうです。
カーナビは近くまで来たと認識してさっさと案内を終了してしまったので、番地を見ながらゆっくり進むと・・・あれ?ホテルの番地を飛ばしちゃった???広い場所でUターンして坂道をもう一度下ってみますが、ホテルの看板はありません。車を停めてGoogle Street Viewでプリントアウトしておいた分岐点の写真などと見比べていると・・・どうやらホテルはまだまだこの山道の上の方みたいです。もう一度方向転換して山道を登ります。すると、山の上に「Hotel Villa Ducale」と壁に書かれた黄色い館風の建物が!

律ちゃん「MINAちゃん!あったよ!あそこだよ!!」

ホテルの駐車場に車を停めると、中から従業員の人たちが出てきました。まだチェックインの時間まで1時間近くあったのでMINA「Are we early?」と聞くと、従業員の男性は「No! You are late! Please come down. Leave your car and your lagguage, there.(遅いぐらいですよ。荷物と車はそのままで良いですから、こちらにいらしてください)」と、海の見えるテラスに降りてくるように誘われました。

タオルミーナの中心部と海、エトナ山が一望できる絶景のロビーでチェックイン手続きを済ますと、Welcome Drinkのシャンパンが出てきました。緊張が解けて疲れがドッと出てしまったのと、余りの絶景にその場から動けなくなってしまい、ダウンタウンに出掛けて・・・と思っていたランチはそのままホテルのロビーで頂くことにしました。

焼きたてのパンや「つきだし」の黒オリーブや卵焼きの美味しいこと!これにサラダとバジルソースのニョッキをオーダーして二人で半分ずつ食べました。ちょっと抑え目にしたのは、夕飯を美味しく頂くためです。余りに美しい景色だったので、ご飯を食べながら、ロビーのソファでも早速1枚描いてみました。エトナ山頂は雲で隠れてしまっていますが、海は青空を映してさらに色濃く輝いています。ホテルの方の説明によると、通常朝方にはエトナ山の全景が見えるとのこと。明日の朝食にお会いできるのを楽しみに待つことにしましょう。

ロビーは私たちの他には、アメリカ人と思われる英語を話す4-5人ずつのグループが2組。その中にいたニュージャージー州から来ていたご夫婦に話しかけられたので、律ちゃんはチュニス、私は東京から来たと言うと、二人はちょっと怪訝顔。アメリカでの学生時代からの親友であること、今はそれぞれの仕事の赴任地が違うけれど、夏休みを一緒に過ごすためにパレルモで待ち合わせてここまで来たことを説明すると、学校を聞かれました。

「Berkeley?あぁ、オバマ大統領を『応援していた』人たちね」とニヤリとしながら一言。「今だって応援してますよ」と笑うと、ご夫婦は「と言ってもねぇ・・・。彼だけが悪いわけじゃないけれど、どうにもならない。今の経済状況は悪化の一途だよ」と米政治の現状を簡潔に説明・・・。NJも民主党基盤が強かったはずですが・・・支持率40%台ってこういうことなのね。

そのご夫婦に、自分たちのレンタカーが借りたその日にパンクした事を話すと、今度はレンタカー会社の名前を聞かれました。すると、彼らのレンタカー会社も同じだった事が判明。奥様は「私たちの車も予約した車種とは違ったから、イタリアの道には大きすぎて運転が大変だったのよ。それに、タイヤだってどれもツルッツルなんだから!」と憤慨している様子。旦那様に「帰り道は気をつけないと私たちのもパンクするかもね」と注意を促しています。・・・ヨーロッパ系の大手ながら、どうやらレンタカーのコンディション管理には問題のある会社らしいことが分かりました。腹は立ったものの、やはりここでも話を分かってくれる人がいて(やっぱりアメリカ人だったけど・・・)溜飲が落ちた気分の私たちだったのでした。

食後はいったん部屋に入ってゆっくりした後、ディナー用に着替えてタオルミーナのダウンタウンに繰り出す事にしました。再びホテルのロビーで従業員の方に夕飯の場所などを相談していると、ホテルのすぐ横にある聖マドンナ・デッラ・ロッカ展望台の大階段をずーーーーっと降りていけば、ダウンタウンの真ん中に出られると教えられました。

ホテルの人からは「往路はボクの足だったら15分ぐらいだけど、写真を撮ったりしながらだと20-25分ぐらいかな。でも、あそこからの眺めは一見の価値はあるから、一度は歩いた方がいいですよ。復路は・・・ご飯を食べてからメッシーナ門でホテルのシャトルバスを待つか、お店から直接タクシーで戻ってくるといいですよ」とのアドバイスを受けました。


言われた通りに歩いて行くと、ホテルを出てすぐに多くの観光雑誌の紙面で見慣れた「タオルミーナ風景」が目の前に飛び込んできました。ここから見た絶景を掲載しているようです。真っ赤に熟れたウチワサボテンの実(柿の様な味がします)が、ブルーの海との見事なコントラストを描いていて、まさに絵葉書そのままの景色です。
 

膝がガタガタになりながら、20分ぐらいかけて大階段を下りてくると、タオルミーナのダウンタウンの目抜き通りVia Corso Umbertoの中ほどに出ました。ちょっと喉が渇いたので、律ちゃんのリクエストでシチリア名物のグラニータ(シャーベット状のカキ氷みたいな飲み物)でひと休みです。

律ちゃんはイチゴ味、私はレモン味を注文。飲み干すと元気になって、早速お洒落な通りでお土産などのショッピング・タイムです。夕陽は島の反対側(エトナ山の向こう側)に沈むので、ラグーサよりも若干早く夜の帳が下ります。ライトアップされた感じも素敵です。



律ちゃんは小さな小路を入った所で見つけたカジュアル・ウエアのセレクトショップでジャケットをお買い上げ。私はパパがほしがっていた「ちょっと格好良くて品質も良いイタリア製のTシャツ」をGETしました。再びウンベルト通りに戻ると、ジュエリーショップがあったのでママへのお土産に何か探すことにしました。お店のマダムはなぜか全く英語を話さないのですが、気さくにイタリア語で色々と話しかけてくれます。私も頑張って、3歳児のイタリア語をフル回転で応戦。ママに似合いそうな紫色のベネチアン・グラスのネックレスをGETしました。

地元食材を扱う、いかにも「乾物屋さん」なお店では、小袋に入ったお土産用の「タオルミーナ風パスタ用・スパイスミックス」なるものを発見。これを職場の同僚や友人たちへのお土産にすることにして、自分の分も含めて12袋お買い上げ!店主ご夫婦はやはり、全く英語を話さなかったのですが、頑張って調理法を聞き出しました。友人たちに手渡す前に、自分でも実際に作ってみてレシピを日本語に翻訳しなくちゃ。

律ちゃんは別のおしゃれな食材店で、イカスミ入りのパスタや調味料をお買い上げ。ショッピングを楽しんでいたらすっかり日も暮れて涼しくなったし・・・お腹も空いてきました。通りにも良い香りが漂っています。広場から降りてきた大階段を見上げると、私たちが泊まっている隣の聖マドンナ・デッラ・ロッカ教会がライトアップされているのが見えました。

時間になったので、ホテルの人が予約しておいてくれた地元で人気のシーフード・レストラン「Maffei's」へ。ウンベルト通りから横の小路の階段を下りたところにある一軒家風の雰囲気のあるお店で、中庭の席に通されました。律ちゃん御所望の「ウニのスパゲッティ」はウニが売り切れてしまっていたので残念ながら食べられませんでしたが、お薦めの新鮮なシーフードを盛り合わせた前菜や、パスタ2種を地元産のワインと一緒に頂きました。

シチリア名物のショートパスタはトマト味で、素揚げしたナスがドーンと載っています。これにお好みでチーズを載せて食べるのですが・・・トマトが甘くて実にやさしい懐かしい味です。もう一種類のパスタは、ツナとトマトと香草、そしてオリーブオイルで和えたさっぱりパスタ。香りが素晴らしいです。

お腹がいっぱいになってしまったので、メインはスキップして、デザートはセミフレッドを1つだけ頼んで二人で半分個。ほろ酔いになっていたのでお店の前までタクシーを呼んでもらって、ホテルに戻ったのでした。朝までは天空の古都にいたことが信じられないぐらい、ラグーサとは全く別世界のタオルミーナ。この海辺のリゾートを明日もたっぷり楽しむことにして長い1日を終えて眠りについたのでした・・・。

December 14, 2010

Sicilia 2010 Giorno 4 -- シチリア冒険記(4)









Ecco mi! Finally, we are leaving for the next destination Taormina, one of the most popular resorts in Italy, from Ragusa. However, before the departure, an important imssion has been left for us...FIXING THE FLAT TIRE! How can we do it? Is it really possible? Here is the story begins...

いよいよイタリア屈指のリゾート地・タオルミーナへ。でもその前に、私たちには重要な「ミッション」が待っているのです。

<Giorno 4:タオルミーナに出発・・・の前にパンクしたタイヤを修理?>

朝ごはんを食べにロビーに下りると、昨日パンクの件を相談したTonyがカウンターで働いていたので、もう一度タイヤ修理工の場所や価格を確認しました。

TONY「大丈夫です。お食事中に、確認の電話を入れておきましょう」
MINA「私のイタリア語ではとても状況を説明できないので・・・」
TONY「ご心配なく。私が話しておきましょう。価格も事前に交渉しておいてあげますよ」

食事後に荷物をまとめて出発の準備をしていると、TONYがベンツをホテルの正面に持ってきておいてくれました。そして地図に「PARISI」と修理工場の名前と電話番号、そしてそこからのタオルミーナへ向かう高速道路への入り口方面も書き込んでくれました。

TONY「この修理工場は私の古い友人のENZOがやっているので安心です。値段も、パンク修理ならおそらく10ユーロ、高くても15ユーロで済むと言っています。なにかあったら、またこのホテルに電話をください。私がここにいます」

旅先で人の優しさにふれると、本当に嬉しいものです。TONYの助けがなければ、私にはタイヤ修理工場を探す事も、状況を説明することも、ましてやボラレないように修理代金の交渉をすることも・・・イタリア語では無理です。

9時にホテルを出発し、さんざん迷って何人もの人に道を尋ねつつ(カーナビついてるのに目的地に入力できなかったので・・・)タイヤ工場に到着したのが9時半過ぎ。私たちのベンツを見ると「話は聞いてるよ」とオーナーのエンゾが出てきました。彼は横浜タイヤのディーラー研修で日本に来たことがあるそうで、かなりの親日派。覚えている限りの片言の日本語で私たちを歓迎してくれました。

実際に修理を担当してくれたのは、エンゾの弟のイヴァン。あっと言う間に専用の機械でタイヤを外すと作業が始まりました。「人生初パンク体験」という律ちゃんは、興味深そうにイヴァンの作業を見守っています。イヴァンは流暢ではありませんが、かなり英語が理解できるようなので、私がパンクに気付いた時の状況を説明しました。すると、手を動かしながら聞いていたイヴァンの声のトーンが変わりました。

IVAN「これは!!・・・これじゃあ修理は無理だな」
MINA「どうして?」
IVAN「これを御覧なさい。このタイヤの状態は酷すぎる・・・」

チューブを外して裸になったタイヤを見て言葉を失いました。見ただけではっきり分かる大きな穴が5-6個開いています。それに、タイヤの溝もツルッツル・・・。とても新車のベンツが履いていたものとは思えません。他の3本のタイヤはどれも新品同様なのに、なぜ?イヴァンも、普通に走っていただけではこんなに酷い事になるとは思えないし、ましてや他の3本のタイヤと状態が異なりすぎるので、誰かが故意にタイヤをすり替えたとしか思えないと首をかしげています。

MINA「修理が出来ないってことは、タイヤを新しく買わないといけないんでしょうか?これが自分の車なら迷わずそうしますけど、レンタカーですし、2日後にはパレルモでレンタカー会社に返すので・・・」
IVAN「事情は分かっています。では、中古タイヤを履いてパレルモまで帰れるようにしてあげましょう。比較的状態の良い中古タイヤがありますから、それをつけてあげましょう。それならタイヤ代30ユーロと作業代の20ユーロで大丈夫ですよ」

新品のタイヤだと1本400ユーロぐらいしてしまうので、迷わず提案を受け入れると、イヴァンが中古タイヤのゲージを測ってくれました。溝はパンクしたタイヤの2倍以上あるので、パレルモまでなら何の心配もないとのこと。念のため、新品のままの後輪タイヤ2本を前輪に履かせてもらい、無事だった前輪タイヤ1本と中古タイヤを後輪に履かせてもらって、空気バランスを調整してもらいました。所要1時間半・・・。

作業終了後、イヴァンが領収書と彼の名刺をくれました。

IVAN「返却時にこれをレンタカーオフィスに提出してください。何かあれば、会計係で甥っ子(Enzoの息子)のFrancescoが対応しますから。修理費、返ってくるといいね」

オフィスの奥にいたフランチェスコが表に出てきたので、彼にもうひとつだけお願いしてみることにしました。

MINA「あの・・・このカーナビなんですけど、今夜の宿の行き先を入力してもらえませんか?」

プリントアウトしたタオルミーナのホテルの住所を見せて、Francescoにカーナビを設定してもらいます。ついでに、イタリア語モードをEnglishモードに変更してもらい、タイヤも履き替えて「いよいよ!」タオルミーナへ出発です。

・・・と思ったけど、余りにも長くなってしまったので、タオルミーナへのお話は、次回に続くのでした♪

December 2, 2010

Sicily 2010 Giorno 3--シチリア冒険記(3)




Finally, me and Ritsuko are in Ragusa Ibla, the baroque city in the mountains. Having my sketch book and watercolors, as well as the post card sent by Eric, we walked around the old city for panoramic views.

Needless to say, we also enjoyed local foods, such as dishes spiced by chocolates! Everything is so charming in this supernal baroque city.

<Giorno 3:終日ラグーサ・イブラでお散歩&スケッチ&グルメ>朝目覚めると、窓から見える山々の中腹には雲がたなびいています。街中も霧が晴れつつある中、オレンジ色の街灯が朝陽を浴びながらも自らも光りを放って何とも幻想的な景色です。今日は何とかお天気が持ちそうなので、念願のスケッチが出来そうです。

昨夜あんなに食べたのに、朝食もしっかり取って9時過ぎにはホテルを出発。とりあえず小さな街の中心(で一番高いところにある)Duomo広場を目指します。威風堂々と坂道の上にすっとそびえるDuomoを今回の旅の1枚目のスケッチとして描く事にしました。カフェが開くのを待って一番良い場所を陣取り、カプチーノを注文して絵を描き始めました。

私がスケッチをしている間(アウトライン→着色の仕上げまでで1枚=1時間がメド)、律ちゃんは周辺のお店やレストランをチェックしているようです。ブレックファースト・ルームで、耳慣れたAmerican Englishを話す中年ご夫婦がいたので話しかけたら、果たしてオレゴン州ポートランド近くから1週間の予定でこの街に滞在していらっしゃる方でした。この天空の古都に連泊しつつ、ビーチや周辺の街、ワイナリー探訪を楽しんでいらっしゃるとのことで、この街のお薦めレストランも2店教えてくれたのです。

そしてこれが、今回のシチリア旅行、そしてこの憧れの街ラグーサ・イブラでの1枚目のスケッチ。いつでも最初の1枚は、旅の高揚が高まる中、その土地の空気感や色調、自分が持ち込んだペンの走り具合などを確かめながらなので、興奮と緊張が入り混じった感じで描くのですが、この絵も程よい緊張感の中で我ながら上々の出来栄え。いつも「MINAさん、人物は描かないの?」といわれるのですが(だって人間は建物と違って、私が絵を描いている間その場にじっとしている訳ではないから・・・)、今回はちょうど隣りのテーブルに中年カップルが座っていたので、そのアウトラインを先に書き込んでおいて、人物入りで仕上げました。私、景色や静物だけでなく人物もちゃんと描けるんです♪

絵を描いているとだんだんと雲が低くなってきて時折小雨が降るように・・・。肌寒くなってきたので、上着を取りに一度ホテルに戻ることにしました。絵葉書の場所は街の反対側の山の上にあるので、傘と上着は必需品になりそうです。

Ericからもらった絵葉書をお店やホテルの人に見せて「ここに行きたい」と道順を尋ねると、宿泊しているホテル「Locanda Don Serafino Romantik Hotel」から程近い広場の横にある大階段(Scale)を登り切った上にある教会の横がこの場所だと教えてくれました。

いざ、憧れの地に出発!5分ぐらい細い急階段を登り続けていると、普段チュニスでは車での移動が多い律ちゃんは「膝が・・・」と早くもお疲れ気味。普段から歩いているけど、私だって息が上がってきました。なので、若干遠回りにはなりますが、階段ばかりが続く道を避けて、住宅の間を縫うように走る車道も少し歩いてみることに。

ところがこれが失敗の始まり・・・。目的地の方向から外れてしまい、そのまま20分ぐらい歩き続けたために、私たちは目的地より大幅に歩きすぎてしまったようです。

お腹も空いてきたので「憧れスポット」に向かう前に、とりあえずカフェにでも入って軽くランチでも・・・と思って歩いていると、古いお屋敷の中庭の中からスーツを着た男性が出てきて「こちらでランチを召し上がって行きませんか?」と声を掛けられました。お屋敷と思っていた建物は実は5ッ星ホテルで、その中には当然ながらレストランもあるようなのです。

「私たち、こんな格好ですが、大丈夫ですか?」
「もちろんです、どうぞこちらへ」

赤絨毯が敷かれた階段を上がり中に入ると・・・お城のような内装です。でもメニューを見ると、ランチだからなのか思ったよりはぐっとリーズナブル。何を食べようか迷ったので「ここでしか食べられない、ラグーサならではの美味しいお料理が食べたい」と伝えると、黒服のウエイターさんが「それだったら・・・チョコレートを使ったこの前菜はいかがでしょう?」と薦めてくれました。チョコレートは隣り街Modicaの特産品で「意外と思われるでしょうが、非常に美味しいですよ」と言うのでそれを二人でシェアすることにして、あとはトマトソースとアンチョビベースの木の実を使ったパスタ2種を注文しました。

チョコレートを使った前菜は見た目がそのままなのでちょっと驚くのですが、ビターチョコがクリームソースと共に中のダンプリングを優しく包み込んでいて・・・食べた事は無いけれど、何とも奥深くて美味しいのです。

2種のパスタもペロリと平らげた後、ウエイターさんに場所をもう一度確認して、目的地に向かいました。5ツ星レストラン&ホテルから歩く事(戻る事)15分ぐらい歩くと看板が見え、ついに憧れの地に到着!まさに絵葉書そのままの景色が目の前に広がります。ラグーサ・イブラ全体を見下ろせるその大階段の上に腰掛けて、夢にまで見たその風景を描き始めました。

岩山に張り付くように並んだ小さな家々、そしてその頂上にはさっきまでいたDuomoが建っています。ちょっと細かく描き込んでしまったので、1時間をちょっとオーバーしましたが無事に完成!律ちゃんに景色と一緒に写真を撮ってもらいました。逆光だったり、絵が暗くなってしまったり・・・モニターを見ながら雑誌用写真のように何枚も納得するまでポージングを変えて撮影してもらいました。一人旅じゃないからこその贅沢ですが、この写真はまたいずれ個展をする機会があればプロフィール写真に使えそうです。律ちゃん、名カメラマンです♪

絵を描き終えたので、今度は大階段を一気に下まで下りてホテルに戻ることにしました。ホテルの前に来ると・・・昨夜苦労してパーキングしたはずのベンツがありません。ロビーにいた男性従業員に尋ねると「はい、お車は安全な場所に動かしておきました」とのこと。男性は流暢な英語で「明日のご出発の時には、私がこちらに車を持ってきますので、ご心配なく」と説明してくれました。

イタリア人とは思えない流暢な、それでいてヨーロピアン・アクセントの無い英語を話す男性の名前はTony。元米国軍人で、結婚して奥さんの故郷であるこちらで生活することになったそう。そこで、ずっと心配だった「あの事」を相談してみることにしました。私のイタリア語ではとても無理なのですが、英語なら大丈夫です。

MINA「車を動かしてくださったのならお気づきと思いますが、あの車はパンクしてしまって、今スペアを履いているんです。明日、タオルミーナに向かう前に修理したいのですが・・・」
TONY「大丈夫。友人の自動車修理工を紹介しますから、明日こちらを出たら、タオルミーナに行く前に修理してもらえばいいですよ。あとで電話して事情を説明しておきます。値段も、ふっかけられないように交渉しておいてあげますよ」

・・・あぁー良かったぁ!何だか久しぶりに「話がちゃんと通じる人」としっかり意思疎通できて安心しました。レンタカー会社の人も、ホテルやレストランの人たちも一応英語は話すのですが、どこか危なっかしい感じだし、彼らは日常的に使う表現は流暢なものの(マニュアル通りだから?)、ちょっと意表をついた質問をすると「あのーもう少しゆっくり話してください」と言われるか、突拍子もない返事が帰って来て「あぁ、この人たち本当はあまり英語が分かってないな・・・」と思ってイライラしたりハラハラすることの連続だったからです。まさに、ソフィア・コッポラの映画「Lost In Translation」のようなシーンの連続で、晴れないでいたモヤモヤがやっとすっきりした感じでした。

「良かったね~」と話しながら部屋に戻ると、沢山歩いて疲れたのか律ちゃんは暫しお昼寝タイム。私もいったん横になったものの、憧れの場所でスケッチ出来た興奮でなかなか寝付けなかったので、ベランダからもう一枚描いてみました。夕闇に沈みつつある街並みも素敵です。

夜になったので、もういちどDuomo広場方面に歩き、オレゴンのご夫婦が教えてくれたお店のひとつ「イル・バロッコ」に向かいました。昼間律ちゃんがチェックしてくれたところによると、ここだと伝統的なラグーサ料理とピザの両方が楽しめるとの事。

人気店なので20分ぐらい待ちましたが、店内に案内されると、名物の「前菜のビュッフェ」のほか、ラグーサ産チーズをつめたラビオリやシチリア風ショーとパスタ、店名を冠したピザを注文。地元産ワインとともに美味しいラグーサ料理を堪能したのでした。

ラビオリはいわば「イタリア風餃子」。全餃連(全日本餃子愛好家連合会)の「シチリア研修会」もここラグーサ・イブラで併せて開催することにして、事務局長(私のこと!)とマグレブ支部長(律ちゃん)の餃子修行はここイタリアでも続くのでした。本当、今更ながらこの国では何を食べても(餃子でさえも!)実に美味しいのです。

November 30, 2010

Sicily 2010 Giorno 2--シチリア冒険記(2)


Because I always suffer from jet lag, it is not that difficult for me to adjust time differences when I fly from Tokyo. Though we have 8 hours time differences between Japan and Italy, I am able to wake up in the morning, even on the second day of the trip, at around 6:30 on an empty stomach...


After the breakfast, I had to go back to the airport ot pick up Ritsuko and to rent a car. Though I knew that there will be minor troubles when traveling in Italy, as usual, the series of MAJOR troubles begin on the day. Yet, I never knew that when I had a cup of cafe latte and a brioche for breakfast at the hotel near the Palermo Central Station.

I took an airport shuttle bus and waited for Ritsuko, who were about 1.5 hours late. We came by rent-a-car office at the airport and were given a nice brand-new Mercedez. I made a reservation for a compact folkswagen, AT with a GPS. But they gave us different one, for some reasons!
As we were behind the schedule, we left the rent-a-car office with the Mercedez with a GPS/AT, not knowing the disaster waiting for us beyond Sicilian mountains--a flat tire!!! Oh, No!!! What can we do in Sicily?

<Giorno2: パレルモからラグーサ・イブラに移動>一度明け方に目が覚めたものの、眠かったので2度寝して7時過ぎに起床。着替えて朝食へ。全然時差ボケも無く、爽やかな朝です。朝食後、チェック・アウトして再びパレルモ空港へ。チュニスからやって来る律ちゃんと待ち合わせて、今回の旅の最初の目的地、ラグーサ・イブラに向かいます。

Google Earthやストリート・ビューで予め道順や到着地周辺の雰囲気はチェック済みですが、どうやらパレルモ空港から早くても4時間はかかりそう・・・。律ちゃんのフライトの到着予定時刻が12時半、その後荷物を受け取って入国するのが13時半過ぎ、レンタカーオフィスに行って出発するのは・・・早くても14時頃。暗くなる前に到着したいので、時間は一刻も無駄にできません。パレルモからは空港行きバスに乗り、11時過ぎには到着。Arrivalのボードを見ると、チュニス・エアーの便は「On Time」とのこと。飛行時間はたったの1時間なのでまだ出発前ですが、もう律ちゃんは機内に入っている頃かな?

しかーし。待てど暮らせど、チュニスからの便は到着しません。定刻の12時半を過ぎても、13時を過ぎても・・・ボードは「On Time」のまま。仕方ないので、ベンチの隣りに座っていた2歳の女の子、Juliaちゃんとおしゃべりして時間をつぶします。Juliaちゃんのイタリア語と私のイタリア語は同じぐらいなので、意外にもコミュニケーションはスムーズ。Juliaちゃんは私の名前を聞いたあと「この子の名前は?」と訪ねます。「・・・これは・・・」私の携帯ストラップの先についていたウサギのマスコットが気になるみたいです。名前なんかつけてなかったけど、適当に「ラビットだよ」と教えると。「ふぅーん」とうなずくJuliaちゃん。手にしていた哺乳瓶の水を「飲む?」とすすめてくれたけど、丁寧にお断りしました。可愛いな。

Juliaちゃんと遊んでいると、Arrivalボードが「到着」を告げました。そして、律ちゃんからも「今、着いたよ~」の電話が。さらに30-40分待つと、律ちゃんがゲートから出てきました。「ひゃ~MINAちゃーん、来たよ~!」と満面の笑顔です。この時点で14時。急ぎ、レンタカーオフィスに行くシャトルバスに乗ってカウンターへ。

予約名を告げるとレンタカーのお姉さんは「今日は良い車がございます。新車のベンツですよ!無料でアップグレードしますね」とのこと。イタリアは街中の路が狭いので、小型のVW(のオートマ、カーナビ付き)を予約していたんだけど・・・ベンツ?

MINA「あの・・・オートマじゃないと、運転出来ないんですけど。それに、カーナビも・・・」

お姉さん「もちろん、オートマでカーナビ付きです。良い車ですよ。Enjoy Your Trip in Italy!」

鍵を受け取り、駐車場で車を探すと・・・確かにシルバーの小ベンツが私達を待っていました。トランクを開けて荷物を詰め込み、手荷物のバッグを後部座席に置こうとしてドアを開けると・・・「???」。なぜか「生米」が散乱しています。

律ちゃん「なんだろね。どうしてこんなに汚いのかしら・・・」

MINA「返却されてから次に貸し出すまでに、チェックとか清掃とかしないのかな・・・?」

私達のこの漠然とした「疑問」が数時間後に起こる大きな事件の「暗示」だったとは・・・。その時の私達にはもちろん知る由もないのでした。

運転席に身を沈め、シートやミラーを調節。キーを差し込んでエンジンをスタートさせると、カーナビの操作方法が分からないことが判明。適当に動かしていたら作動しましたが、目的地の入力方法が分かりません・・・だって、全部イタリア語なんだもん!とりあえず近くにいたメカニクスのお兄さんにお願いして、プリントしたホテルの住所を指さして入力してもらうことに。お兄さんは優しかったけど全然英語が分からないので、目的地入力をお願いするのが精いっぱいで「生米事件」の真相を聞き出すまでには至りませんでした。それに、時間も大幅に遅れているので一刻も早く出発しなければなりません。

初ベンツだったものの、運転操作自体は普通なのと、小ベンツなので普段運転しているロメオ君と車幅間隔は一緒だったのでスムーズに発進。カーナビ(イタリア語だけど!)の指示に従い難なく高速道路に乗り、順調に旅が始まりました。「MINAちゃん、ベンツはどう?気持ちいいね~」律ちゃんは嬉しそう。私も怖々ながら久しぶりの右側通行&イタリア語の指示を聞きながら順調にドライブ・・・と思ったら、何だか後ろの車に凄く煽られてます。制限速度は100キロ、私は105キロで走っているのに、後ろは大渋滞・・・。車線が増えると後ろの車たちが一気に私達を追い抜いていきます。「律ちゃん、この国の人たちは120キロ以下で高速は運転しないみたいだよ」仕方なく、徐々にスピードを上げる私。

少しお腹も空いてきたので、山道に入る手前で休憩を取るまでは130キロで飛ばし、1時間ぐらい走ったあたりで遅めのランチ休憩。サービスエリアでモッツァレラ・チーズのトラメツィーノ(イタリアパンのサンドイッチ)とカスタードパイを二人で半分コして、ドライブ再開です。さらに1時間山あいの道を飛ばしていると、雨が降り出しました。時刻は夕方5時過ぎ。律ちゃんによると「もうすぐで半分ぐらいの道のり」とのこと。更に頑張って走ります。時折強く降る雨にワイパーもフル回転させながら、山道を抜けかけて山道に入ろうとしたとき「キキキキキィーーー」と車がスリップ。

一瞬ハンドルの操作が利かなくなりましたが、減速していたので大事に至らずストップし、ヒヤリとしただけで済みました。雨が降るとスリップしやすくなるけど、こんな感じだっけ?カーナビに導かれるまま少し寂しい山道を走っていると、徐々にハンドルが重くなってきました。それに、スピードゲージの横に何やらサインが出ています。でも、運転中だし複雑なイタリア語なのでよく分かりません。

「ねえ律ちゃん、何かを『チェックしろ』と書いてあるんだけど、何をチェックするのかな?」

すると、助手席からサインを読もうと首を伸ばした律ちゃんは「この単語、フランス語だと『タイヤの空気圧』って意味に似てるから・・・パンクかなぁ?」

マジぃぃぃーーー!?

そう言えば、少し前から凄くハンドルが重いんだよね。ちょうど山道を抜けて海沿いの都市Gelaの街中に入った所だったので、沿道にあったBarの駐車場に車を寄せて降りてみると・・・前輪左側のタイヤがペチャンコになっています。

「律ちゃん、誰かお店の中にいる人、呼んできて!」律ちゃんが飛び出して行くのを見送りながら、私はパレルモのレンタカーオフィスに電話します。レンタカーオフィスのお兄さんは「最寄りの営業所はカターニアですが、そこからだと200キロぐらいあるので、その前に近くのお店でタイヤを修理してもらってください。おそらく10ユーロぐらいです。その後、必要があればカターニア営業所で車を交換しますし、走れればそのままパレルモへ・・・」

カターニア方面に向かうのは2日後なので、タイヤを修理する前にとりあえずスペア・タイヤに履き替えないと運転出来ません。ほどなく律ちゃんが屈強な男性3人を連れてお店から出てきました。お兄さんたちは事態を把握するとトランクの中からジャッキとスペア・タイヤを取り出して、手早く交換してくれました。た・・・助かったぁ~!

「何か御礼を・・・」と言いかけたものの、お兄さんたちは英語が全然分からないようで、身ぶり手ぶりで「いいから、いいから!気をつけてね」と言って、それぞれの車で走り去って行ったのでした。どうやらお店の人ではなく、偶然居合わせただけのお客様だったようです・・・。Grazie mille!!

スペア・タイヤなので時速60キロぐらいで徐行しつつ、目的地に向かいます。19時を過ぎると周囲は暗くなりましたが、目的地まではあと20kmぐらい・・・。すると再び激しい雨が降り始めて、ワイパーの合間から前の車がようやく見えるような状態で徐行&後ろから追い抜かされまくりで怖々進みます。
それでも20時少し前に目的地のラグーサ・イブラに無事到着!

でもここからが「古都」ならではの難しさで、ホテルの近くまでは来ているもののホテルに入る路地の看板が見当たらず、街中を抜ける狭い一方通行の道を走ること2周・・・。律ちゃんが看板を見つけてくれたので近くの広場に車を停めて、大迷惑をかけつつ強引に方向転換。ホテルに走ってくれた律ちゃんの指示で急な坂道に車を入れてホテルの玄関に到着!一通なので、荷物を下ろした後はその細い急な坂道を駐車スペースまで20㍍ほどバックで戻り・・・20時半過ぎにようやくこの日の長いドライブが終わったのでした。

ホッとするとお腹は空くもの。宿泊していたホテルと同名(同経営)のリストランテ「ロカンダ・ドン・セラフィーノ」にフロントから予約を入れてもらい、歩いて10分ぐらいのそのお店へ。旧市街の外れの川沿いにあるリストランテの外観はお城、中はワインセラーを改装したような白を基調としたモダンで不思議な空間。

「ここのレストランはね、コンテストで『シチリアいち』の称号をもらったんだって」と律ちゃん。とりあえず地元産のワインで乾杯し、お店のお薦めが少しずつ食べられるコースを注文しました。
確かにどれを食べても美味しいし、何もかもとってもお洒落♪

素敵なレストランに巡り合ったおかげで、新車のベンツがパンクして・・・と不安&ヘトヘトなドライブの疲れも吹っ飛ぶ、素敵な夜になったのでした。終わり良ければ全て良し?いえいえ、私達の冒険はまだまだ始まったばかりなのです。

November 24, 2010

Sicily 2010 Giorno 1--シチリア冒険記(1)



It is always nice to have a post card from friends. And it is more than nice if the card shows unknown beautiful panoramas. A card sent by my friend Eric in New York was the one. As he knows what I like, he sent me the card from a small baroque city in Sicily, Ragusa Ibra.

This summer, I finally was able to travel to the dream destination with my best friend Ritsuko, who currently lives in Tunis, Tunisia--just across the sea from Sicily. Here is my latest adventurous story.

今回の旅は最初から最後までハプニング続き。でも災い転じて福となる?と言うか、不幸中の幸い?と言った、日本ではなかなか遭遇しないような出来事があったからこそ感じることが出来た、地元の人々の温かさに触れた旅だったのでした。

<Giorno1:東京→(ローマ経由)→パレルモへ>今回のイタリア・シチリア州への旅のきっかけは、2005年にローマで知り合ったNY在住の米国人Ericから2年前に届いた一枚の絵葉書でした。闇の中に幻想的に浮かび上がる中世の街並み・・・写真には「Sicily-Ragusa Ibla」とありました。詳しい場所は分かりませんが、シチリア島のどこかにある町のようです。

Dear Mina,Greetings from Sicily!
The region has so many picturesque views.
You would have plenty of material to paint here.
I am having a great time exploring towns (like Ragusa Ibla on this postcard) and the country side.
We have five hours of fencing training a day.
The people here are really friendly and we made friends with two people who took us on a tour.I will have lots of pictures to show you!

フェンシングの合宿で当地に行っていたEricからは数日後に、現地の名物だというチョコレートの詰め合わせも届きました。ひと目で絵葉書の風景の虜となった私は、ちょっと変わった味のチョコレートを食べながら「これはきっと、このRagusa Iblaからの招待状?いつになるかは分からないけど、何としてでも絶対に行こう!そして、これと同じ場所で絵を描こう」と決めたのでした。

そして昨年秋、律ちゃんがシチリアの近くのチュニジアに赴任。今年5月に彼女をチュニス訪ねた時に、夏休み(律ちゃんは連休&週末)を利用して、シチリアの空港で待ち合わせて、一緒にこの地に行く約束をしたのでした。
で、出発の朝。ひさしぶりにぐっすり眠って目が覚めると、9時55分。

えぇっと、成田エクスプレスの時間は・・・10時05分!!

一瞬、頭が真っ白になりましたが、飛行機の時間が13時半であることを考えれば、次の成田エクスプレスでも間に合うので、気を取り直して身支度をしてタクシーで東京駅へ。

無事(?)次の成田エクスプレスに乗って、12時過ぎに空港に到着。カウンターには既にほとんど人はいなかったので、スムーズにチェックインを終了。(実はこの、遅めのチェックインが後で幸いすることに・・・)すぐに出国ゲートに向かい、飛行機は定刻に出発。順調にローマへ。

ローマでは急ぎ足で乗り換えターミナルに急ぎ、それでも途中のブルガリショップでどうしても欲しかったお財布をGET(だって3年前は1ユーロ140円だったんですもの!今買えば2割安♪)。

ブルガリのお姉さんが免税の書類作成に手間取ったので水を買う時間がなくなり、駆け足で乗り換え便の機内へ。指定されたシートに座っていると、前の方で親子連れが乗務員と何やらもめています。席を代わりたいようです。すると、目の合った乗務員が私の所に駆け寄ってきます。

「Parla Italiano?](イタリア語、話しますよね?)
「Si, ma un po...」(えぇ、少しだけ・・・)

どうやら、前列の親子は脱出シート横の席だと荷物が足元に置けないのが気に食わないのだそう。私の隣は空いていたので、彼女たちと席を代わってくれないかとのこと。機内乗務員であっても、国内線だからか、多少込み入った話は英語ではなくイタリア語になってしまうようです。

何だか、今回の旅の行方を暗示しているようです。でも席を代わるぐらい、お安い御用です。荷物は全て棚の上に預けなければなりませんでしたが、他の席よりピッチが広くて足が楽だし、脱出用の窓から美しい夜空(中秋の名月!)が眩しく見えます。

この便も定刻どおりにローマを出発。乗務員さんがあたふたとドリンクサービスをしているうちに、あっという間にシチリア島上空に。飛行高度を下げながら巡回していると、雲の切れ間から、パレルモの街の灯が見えてきました。さらに、海面には中秋の名月が反射しているので、キラキラ光っていて夢の国に降り立つようです・・・(でも、荷物は棚の上だし、着陸態勢で席を立てないのでカメラは出せません・・・)。

夢見心地で到着ターミナルに行くと、小さな空港なので程なくしてターンテーブルが回り始めました。すぐに大きめのトランクがポロポロと出てきて、皆が順番に引き揚げて行きます。待つこと20分・・・。最後の荷物が出てきても・・・私のトランクは出てきません!

「やられたぁ!」さすがアリタリアです。

荷物だけ届かなかったのは、これが最初ではありません。でも次の便は1時間後なので、最悪・・・その便で私の荷物はやって来るはず。(以前、ジェノバでもそうでした・・・)

とりあえず、Baggage Claimに行き、自分の荷物が届かないと文句を言うと、チケットとパスポートの提示を求められ、トランクの色と形状を聞かれます。やはり、ローマでの乗り換えが1時間しかなかったので、国際便から国内便への荷物の積み替えが間に合わなかったのでしょうか。でも確か、成田ではトランクに「SHORT TRANSIT」という真っ赤なシールが貼られていたのにな・・・。

「じゃ、この書類にサインを。万が一荷物が届かなければ、捜索して滞在先にお届けします」文句を言いながら書類にサインすると、あと20分もすれば次のローマからの便が到着するから、とりあえずこのまま待つように言われました。到着から30分過ぎて現地は夜22時少し前。朝寝坊してたっぷり眠ったとは言え、到着後に時差ボケが早く抜けるよう、機内ではなるべく眠らずに映画を3本も観て頑張って起きていたので、もう眠たいのなんの・・・。

すると、奥の方の「国際便」のターンテーブルが少しだけ動くと、そこに私のトランクがチョコンと乗っていました!「あったー!ありましたぁ!!」

おそらく時間的にはギリギリだったのでしょうけれど、成田での遅めのチェックインで荷物が手前にあったことが幸いしたらしく、「奇跡的」に私と同じ便でパレルモに到着していたのです。ただ、国際便扱いだったために、別のターンテーブルに載せられて、そのまま置き去りになっていたのでした。

トランクをスキャンして、通関ゲート(形式だけ)へ。さっきの書類は事務所で廃棄してもらって、晴れて「入国」です。

はぁ・・・とにかく、良かった、良かった。表に出るとすぐにパレルモ中央駅行きのバスが待っていたので運転手さんに運賃(5ユーロ60セント)を払って飛び乗ると、ほどなく出発。夜なので40分ぐらいで市内を回ってから終点の中央駅に到着。今夜の宿は、駅前のビジネスホテル。小さいけれど天井が高く清潔な室内のダブルベッドですぐに眠りについたのでした。

はぁ・・・。一筋縄に行かないのがイタリア旅行ですが、何とか無事に(荷物のせいで40分遅れでしたが同日中に)到着。明日は再び空港に向かい、律ちゃんとの再会。そしていよいよ、憧れの地、ラグーサ・イブラに向けてシチリア旅行のスタートです!

June 12, 2010

PORTUGAL~ChapterVI (リスボン6日目!フランクフルト経由で帰国)






朝になって、喉の痛みはだいぶ和らいだものの(やっぱりザビエル・キャンディーが効いたようです!)、鼻水はひどくなるばかり…。バナナとケイジャーダ(シントラで買った甘~いチーズケーキ)の残りで朝食を済ませ、風邪薬を飲んで身支度を整えます。


窓を開けると、今日も良い天気!カモンエス広場には、昨日スケッチした路面電車が走っています。私にとって、坂道と路面電車は「故郷」サンフランシスコを彷彿とさせる懐かしい風景。ここリスボンはどことなくサンフランシスコに似た、居心地の良い街でした。だだっ広いだけで殺風景だったホテルの部屋も、6泊して随分と馴染んで来たところですが、あと数時間でこの街ともお別れです。出発までの間、もう少しだけホテルの近くを散策。昨夜のうちに書いておいた絵葉書を広場前の郵便局ポストに投函しました。


空港まではタクシーで15分。混雑もなくあっという間に到着し、フランクフルト行きの国際便にチェックイン。時間通りに出発し、定刻にフランクフルト空港に到着(さすがルフトハンザ!)。たった3時間の旅でしたが、小腹が空いたのと、風邪薬を飲んでおきたかったので、トランジットの待ち時間の間に軽く何か食べておく事にしました。フランクフルトと云えば…。やっぱりこれしかないでしょう。ビールの代わりにアップル・ワインで「夏休みの終わりに乾杯♪です。


10日間の夏休みもこれでおしまい。今回の旅でスケッチブック1冊いっぱいに素敵な風景を描く事ができました。また来たいな…。



日本・ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントとして丸の内カフェ(千代田区丸の内3ー3ー1、新東京ビルヂング1F、フリースペース)で開催中の「PORTUGAL~Arte e Poesia」での私の作品展(6月1日~14日)およびポルトガルの旅の魅力を語り合う「トーク・セミナー」(6月30日、19時~)に連動して、昨年夏の私の旅行記をこちらに転載しました。現地の風景や美味しいものの写真、私の水彩画作品とともに、一緒に旅気分を楽しんで下さい。

PORTUGAL~Chapter V (リスボン5日目!Shoppingと最後の?スケッチ)

























朝目が覚めると…喉はさらに痛く、鼻水まで…。念のため熱を測ると…「36.4度」。平熱です。どうやら本格的に喉&鼻風邪を引いてしまったようです。いよいよ遠出は諦めて、今日も1日リスボンでゆるゆる過ごす事にしました。そういえばまだポルトガルでのお土産を買っていなかったし…今日はショッピングの日にしましょう(と言いつつ、素敵な景色を見つけてしまうといけないのでスケッチブックは手放せません)。


先ずはホテル近くにあるポルトガル雑貨専門店へ。美味しそうなチョコレートを見つけ、女の子友達用に10個購入。レジの近くにはビニールの袋に入ったキャンディーを発見。パッケージには何故か見覚えのある人物のイラストが…。


「ザ、ザビエル?」


そうなんです。パッケージにザビエルのイラストをあしらった、その名もズバリ「フランシスコ・ザビエル メントールキャンディー」。イガイガする喉に「いかにも効きそう!」と思い、これも1袋自分用に買いました。でもやっぱり、風邪薬を飲んだ方が良さそうです。でも、病院に行ってもし「外国人?新型インフル?」と大騒ぎになると翌日の帰国→休暇後の出社にも響きそうなので、病院に行く気にはならず、とりあえず大型スーパーがテナントに入っている「イベリア半島最大級のショッピングセンター」に向かうことにしました。440店のテナントが入るコロンボSCです。


ショッピングセンターの端にあったスーパーに入り薬局コーナーを探すも、店内が巨大すぎて見つかりません。店員さんに尋ねますが、英語が分からないとのことなので、なぜかイタリア語を交えて話して理解してもらい、店舗の一番奥にある薬局まで案内してもらいました。薬剤師のお姉さんは英語を話したので症状を説明すると「あぁ、喉が痛くて鼻水が出るなら、これとこれがあるけど…こっちの方が効きますよ」と3日分入った7€の市販薬を薦めてくれたので即購入。モールの中で何かを食べて早速薬を飲む事にします。最上階にフードコートを見つけ、風邪気味ながらポルトガル料理が食べたくて仕方の無い私は、プレートランチ(6.99€)を見つけました。サンプルに大好きなフェイジョアーダ(初めて食べるポルトガル風!)とお肉が乗っていたので即決です。オーダーしようとキャッシャーに並ぶと、お兄さんが何やら早口のポルトガル語で聞いてきます。どうやらドリンクとデザートは何にするの?と聞いているようですが、私が英語で聞き返すとチンプンカンプンらしく、ここでもジェスチャー&イタリア語を駆使して注文。何とか食べたいものをGETしました。
食後薬を飲み、モールをブラブラしましたが、店舗数が多いだけで取り立てて食指が動くものもなく「長居は無用」と思い、旧市街に戻ることに。とにかく喉が痛いので、道中スパークリング・ウォーターをがぶ飲みしました。一旦ホテルに戻り、ちょっと横になった後、リスボンでの最後のスケッチを描くために、ホテルから15分ぐらい歩いた所にある高台の公園に向かいます。ポルトガルでの初日に、サン・ジョルジュ城から夕陽の絵を描きましたが、今度は夕陽を浴びて輝くサン・ジョルジュを描いてみたかったからです。


ベンチを見つけ、ここからのスケッチを描きます。風邪を引いているので体が冷えてはいけないので大急ぎで仕上げましたが、今回の旅で更にスピードアップしたらしく、なかなかの仕上がりです。隣りに座っていた犬の散歩の途中のおじさん(=やっぱり英語を話さない…今日は英語を話さない人ばかりにあたる日です)が、親指を立てて「いいね!」と誉めてくれました。毎日この景色を見ている人が誉めてくれるのですから嬉しいものです。公園近くの建物も皆、ピンク色の夕陽を浴びて輝いています。サーモンピンク、空色、紫…と日本では「あり得ない」配色の建物も、夕陽に包まれて優しい色合いに変わり、いい感じです。

坂道を下り、ホテル前のカモンエス広場でも…やっぱりもう一枚。さっきのが最後と思いましたが、やはりもう一枚描いちゃいました。坂道を登ってくる路面電車のスケッチです。でも、路面電車は一瞬しか停留所に停まらないので、最初に周辺の建物を描いておいて、路面電車が到着したら大慌てでその形・色を書き込んで仕上げました。この一枚を描き終えると気付けは陽はとっくに落ちて真っ暗です。5日間乗り放題だった「市内バス・電車チケット(セッテ・コリーナス)」もあと数時間で期限切れ。最後に、スケッチしていた路面電車に乗って、サン・ジョルジュ城の手前に見えたカテドラルまで向かうことにしました。ライトアップされて闇の中に浮かび上がった12世紀建立のカテドラルの神々しいこと…。神様を信じているわけではありませんが、思わず「お陰さまでポルトガルでの旅も素敵なものになりました。ありがとうございます」と心の中でつぶやきます。

再び、反対方向の路面バスに乗り、ホテルのあるバイシャ・シアードに戻ります。ホテル近くの商業ビル最上階にあるレストランで最後の晩餐。今夜は美味しいデザートを食べたいので、夕飯は抑え目(?)にエビピラフとジャガイモ&キャベツのスープ。

お店を変えて、デザートは同じフロアのカフェでポルトガル名物のカスタードパイ(Pasteis de Nata)と、カフェのイチオシ「新作!アイス・カフェモカ」を注文しました。 両方とも見た目は地味ですが、何ともパンチのある甘さ!昨夜の「コンデンスミルクをさらにコンデンスしたBaba de Camelo」ほどではありませんが、ポルトガルのスイーツは本当に甘い!!!

血糖値アゲアゲの所に風邪薬を飲んで、上機嫌でホテルに戻ると…!ホテルの前の路上に無数のソファーが並べられています。そして前方には白い壁…?何と、交通封鎖しての「即席・路上シアター」のようです。どうやらハリウッド・アクション映画の特別試写会のようなのですが、何しろ「路上」なので、ソファには座れなくても自由に「立ち見」ができます。


しばらく観ていましたが、致死率の高い未知の伝染病で次々と人々の命が奪われていくアクション・ホラーだったので、寒くなってきたし早く部屋に帰って寝る事にしました。暖かいお風呂で体を温めて、明日の長旅に備えて早く治さなくては!


日本・ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントとして丸の内カフェ(千代田区丸の内3ー3ー1、新東京ビルヂング1F、フリースペース)で開催中の「PORTUGAL~Arte e Poesia」での私の作品展(6月1日~14日)およびポルトガルの旅の魅力を語り合う「トーク・セミナー」(6月30日、19時~)に連動して、昨年夏の私の旅行記をこちらに転載しました。現地の風景や美味しいものの写真、私の水彩画作品とともに、一緒に旅気分を楽しんで下さい。

PORTUGAL~Chapter IV (リスボン4日目!ベレン地区でゆっくりスケッチ)













朝、目が覚めると喉が痛くて、頭が重いのです。「まずい!」と慌てて電子体温計で検温…でも熱は「36.4度」。いつもよりは若干高めですが、平熱です。どうやら新型インフルではないようで、ひと安心。


なので、イネスに薦められたオビドスの町まで遠出するのは諦めて、リスボン市内でゆっくりスケッチすることにしました。旅の終盤で疲れがたまっているので、無理は禁物と思ったからです。そこで、初日に外観だけ見て圧倒された、市西部・ベレンにある世界遺産「ジェロニモス修道院」をもう一度観に行くことにしました。ホテルの前から路面電車に乗って西に向かいます。目の前の停留所で降りて、改めてその巨大さに圧倒されます。前日に観たトマールの修道院と同様、この修道院も着工は15世紀、完成は19世紀と…うーんと時間がかかっています。どうやら時間をかけすぎて、1F、2F、3Fと建築様式が違ったりします。サンタマリア教会の動脈のように細かく施された天井の彫刻とステンドグラスを観て暗闇に慣れた目に、次に飛び込んで来たのはまばゆ過ぎる太陽光。それも、レース網のような素敵なアーチ越しに青い空と共に飛び込んで来たので、感動してこの景色を一枚スケッチしました。


このような彫刻が、この巨大な修道院の至るところに施されているのです。完成までに500年かかっちゃった事にも納得です。修道院内をぐるりと回って、今度は外観をスケッチしようと外にでると喉が痛くてイガイガしているせいもあり、喉が渇いて仕方ありません。ランチを食べにいったん修道院を離れてテージョ川方面に向かいます。すると偉人たちを彫刻した「発見のモニュメント」の正面にレストランを発見。どうやらカシュカイスでイネスに連れて行ってもらったお店と同じ系列のレストランのようです。そこでひと休みしていると、さらにモニュメントに近い場所にカフェもあることを発見。デザートは場所を移して、そのカフェ(ジェラテリア)で美しいモニュメントをスケッチすることにしました。とりあえず喉が欲する柑橘系のジェラートを頂いてスケッチをしていると、小学校高学年ぐらいの男の子が近寄ってきて、私と私の絵の写真を撮らせて欲しいというので暫し手を休めてポーズ。男の子は私のスケッチに感動しているようで、ちょっと照れくさかったのでささっと仕上げ、微笑んでその場を去りました。


再び修道院の前に戻り、ベンチに座って外観を描きました。この修道院もまたマヌエル様式の粋を極めていて、スケッチには1時間ちょっとかかってしまいましたが、何とか描き終えて旧市街方面のバスに乗りました。そして、ホテルの前でこの日最後のスケッチ…坂道を上がってくる路面電車を仕上げました。うん、今日は体調悪いのに頑張った♪で、ご褒美のディナーはお肉にすることにしました。これまでポルトガルに到着以来お魚が多かったので、風邪っぴきをふっ飛ばすためにも、お肉「フランゴ・アッサード(ロースト・チキン)」を頂きました。


付け合せのポテトはとても食べ切れそうになかったので、野菜を取るためにトマトのサラダを注文。日本で食べるより酸っぱいトマトがちょうど良い加減のドレッシングになっていて塩味の鶏をよりさっぱり食べることが出来ました。メインの前に頼んだジャガイモとキャベツのスープ「カルド・ベルデ」もやさしく美味しい味でした。


ただ1つ残念だったのがデザートでした。メニューを読んだところで分かるはずもなくお店のお兄さんに「お兄さんのお薦めスイーツをくださいな」とお願いしたら出てきたのがこの「Baba de Camelo」。ポルトガルのスイーツは焼き菓子が多く、全般的に色目が地味なのですが、こいつは見た目の地味さではピカイチです。


ところが、トロっとした茶色い液体をスプーンですくって口に入れた瞬間、そのインパクトの強さにびっくり!あ…あ…あっまぁぁぁーーーーいっ!!たまらずお兄さんに材料を尋ねると、お兄さんはニッコリ笑って「コンデンスミルクをじっくり、じっくり煮込んだものです」とのこと。そりゃあ甘いはずです。でもお兄さんがニコニコしながら「おいしいでしょ?僕、これが一番好きなんです」とこちらを見ているので残すわけにも行かず、頑張って食べました。あぁー、喉が渇くぅぅぅ…。軽くクラっと目眩を覚える甘さでした…。



日本・ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントとして丸の内カフェ(千代田区丸の内3ー3ー1、新東京ビルヂング1F、フリースペース)で開催中の「PORTUGAL~Arte e Poesia」での私の作品展(6月1日~14日)およびポルトガルの旅の魅力を語り合う「トーク・セミナー」(6月30日、19時~)に連動して、昨年夏の私の旅行記をこちらに転載しました。現地の風景や美味しいものの写真、私の水彩画作品とともに、一緒に旅気分を楽しんで下さい。

PORTUGAL~Chapter III (リスボン3日目!電車に乗って世界遺産の街、トマールへ!)












前日に引き続き、本日も世界遺産の町でスケッチ三昧です。友人でポルトガル大使館領事のパウロの故郷、トマールの町に向かいます。前日と違うのは、始発駅がロッシオではなくサンタ・アポローニャだったこと。ホテルからは地下鉄で向かい、地上に出て乗り換えます。リスボンから電車で約2時間の所にあるトマールの町。華やかに飾り付けたお盆を頭に載せて練り歩くタブレイロスのお祭りで有名なのですが、お祭りは2年後まで開かれず、この日は平日なので町にほとんど人影が見えません。この町に世界遺産?インフォメーション・センターさえ見当たらず、とりあえず、駅から見えた丘の上にそびえる城壁に違いないと目的地を定めて向かいます。緩やかな坂道を登ると、市内を一望できるスポットが。小さいけれど、とても美しい町であることが分かります。


歩くこと約20分。トマールのもう1つの名物、世界遺産の「キリスト修道院(Confento de Cristo)」に到着。そしてこれが、マストやロープ、鎖、珊瑚などを描いた、マヌエル様式の最高傑作とされる大窓です。黄色っぽく見えるのは、苔?錆び?(両方??)何ともゴージャスな大窓をまず1枚スケッチ。さらに、角度を変えてもう一枚スケッチしました。


いくつかあるタイル張りの中庭も見事でした。この修道院は12世紀に建築が始まり、完成したのが17世紀…。宗教の力って凄いです。マヌエル様式は複雑なのでスケッチするのにいつもより時間がかかり、2枚描いているうちにあっという間に午後3時…。前日のように昼ご飯を食べ損ねてしまいそうだったので、修道院内にあるカフェテリアで「本日のプレートランチ」を注文。ポークのキノコクリーム&ライスのプレートは典型的なポルトガル料理なのかは不明でしたが、とても食べやすい味。久しぶりにおコメを食べたこともあって、懐かしい気分になりました。


食後、しばらく修道院内を回り、今度はトマールの町を見て歩くことにしました。…と行っても「町の端から端まで歩いても15分の田舎町」(パウロ)だけあって、あっという間に町の端まで来てしまい、特に見所も無く、お店が開いているわけでもなかったので、駅に引き返す事にしました。途中、人影の無いはずの街中で視線を感じて立ち止まると、そこには美しい猫が…。「あら、見慣れない顔ね。どこの人?」と言わんばかりの表情でしたが、余りの美しさに写真を撮ろうとカメラを持って近づくと、逃げるどころか「ん?私の事が撮りたいわけ?いいわよ」ってな感じで堂々とポーズを決めたまま、微動だにしません。


本当は夕飯を食べて、19時の電車でリスボンに帰ろうかと思ったのですが、特に素敵なお店も見当たらず、その間時間をつぶす方法も思いつかなかったので、チケットを買っていた電車より1本早い電車でリスボンに戻ったのでした。それに何だか喉が痛くて嫌な予感…。トマールは暖かかったけれど、昨日のシントラで強風に吹かれて絵を描いた時に体を冷やしてしまったようで、もしかして風邪を引いてしまったみたいです。ホテルに戻ったら、今夜は早めに休むことにしましょう。



日本・ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントとして丸の内カフェ(千代田区丸の内3ー3ー1、新東京ビルヂング1F、フリースペース)で開催中の「PORTUGAL~Arte e Poesia」での私の作品展(6月1日~14日)およびポルトガルの旅の魅力を語り合う「トーク・セミナー」(6月30日、19時~)に連動して、昨年夏の私の旅行記をこちらに転載しました。現地の風景や美味しいものの写真、私の水彩画作品とともに、一緒に旅気分を楽しんで下さい。

PORTUGAL~Chapter II (リスボン2日目!電車に乗ってシントラ~カシュカイスへ)
















ポルトガル2日目はリスボンから電車で1時間程の世界遺産の町、シントラへ。電車の始発駅、ロッシオに行きシントラへの片道切符を買おうとすると、駅員さんが「往復じゃなくていいんですか?それとも、カシュカイス経由で帰ってくる周遊券もありますけど…」と素敵なアドバイスをくれました。小田急の江ノ島・箱根周遊券みたいなものでしょうか。
実は、前日夜に連絡が取れたカシュカイス在住の友人、イネスとシントラ観光の帰りに会うことにしていたのです。シントラから海辺の町カシュカイスまでがバスで小一時間、そしてカシュカイスからリスボンまでが電車で30分。これを「このエリア全域の電車、バスが乗り放題の1日券(12ユーロ)がありますよ」とのこと。もちろんそれを購入して、既に駅構内で待っていた電車に飛び乗ります。イタリアと違って、電車は清潔で時間も正確。シントラに着くと駅横のインフォメーションセンターへ。そこで市内の地図、シントラの中の遺跡を巡る周遊バスとカシュカイス行きのバスの時刻表をゲット。これらのバスももちろん、周遊券で乗り放題です。

ほどなく、周遊バスが到着。ところが、最初の停留所(シントラ宮殿)の手前でエンジントラブルが発生。古く狭い道は一方通行なのですが、大渋滞になっています。代替バスが追いつく見通しが立たず15分経過…。どうしようかな…と思いました。このまま待っていれば、いずれはバスも動き出すはず。でも、今日はイネスとカシュカイスで18時に待ち合わせていたので、カシュカイス行きのバスに乗る時間等を勘案するとシントラにいられるのは16時過ぎまでの「急ぐ旅」。なので、思い切ってバスを降りて、目的地の「ムーア人の城跡」まで歩く事にしました。地図で見る限り、あと2kmぐらいの道のりのようです。2kmなら20分もあれば行けそうです。と思って歩き始めたものの、山道なので予想外に厳しい道のり…。ちょっとした「ハイキング」、いえ遠足並みです。で、城跡の入り口まで40分ぐらいで到着、さらに城跡の上を歩いて巡るのですが、これまたプチ・万里の頂上のような石造りの険しい道のり。でももう後戻りは出来ません。
ようやく城跡の頂上に到着したのはさらに1時間後。ここから、先ほど観たシントラ宮殿とその先に見えるユーラシア大陸最西端・ロカ岬を望む風景をスケッチします。海から頂上に吹き上げる強いかぜに吹かれながらのかなり過酷な状況で1枚仕上げ、さらに歩いて次なる目的地ペナ宮を目指します。
城跡を降りて、ペナ城の入り口まで歩く事15分。ここからお城まで歩いても15-20分らしいのですが、だんだん時間がなくなってきたので、ここは城内バス(これだけはエクストラ料金)を払って時間短縮です。

ペナ宮の入り口に来て唖然…。こ、これは何かの冗談なの?イスラムやバロック、マヌエル、ルネッサンス様式など、いくつもの建築様式が一体となって佇む様子は正直異様…。どれもゴージャスな作りではあるのですが、こんなに何でもかんでもごちゃ混ぜにしていいはずがありません…。室内もアラビアン、オリエンタル、ロココと「一体、何がしたいの?」と言った趣で、とびきり豪華な「お宝」が所狭しと飾ってあるのですが、うっとりした気分にはなれない何とも微妙な雰囲気だったのでした。とりあえずこの異様な外観をスケッチして城内バスに乗り、駅行きのバス停がある入り口まで戻ります。
ところがここでまたしてもトラブル発生。駅に戻るバスが、待てども、待てどもやってきません…。カシュカイス行きのバスは1時間に1本しかないのですが、刻一刻とバスの時間は近づけど、肝心の駅行きのバスが来ないのです。結局、30分近く待って到着したバスに乗り込むも、カシュカイス行きのバスには間に合いませんでした…。

次のバスまで45分あったので、バス停の向かい側のカフェに入りました。そう言えば、山の上で絵を描いていたのでお昼ご飯を食べてませんでした。で、名物のケイジャーダ(チーズケーキ)とエスプレッソをオーダー。ところが「ひとつ」と頼んだはずが「一袋」(3.5ユーロ)出てきちゃいました。6個入りだったので2個食べて、あとは持ち帰ることにしました。明日の朝ごはんにしようかな。 

予定より1時間遅れでバスに乗り込み、カシュカイスにはイネスとの待ち合わせ時間の15分前に到着。何だか小さなトラブル続きの一日でしたが、結果オーライみたいです。イネスは、昨年1年間日本(西会津市)で芸術活動をしていた絵描きさんですが、今はリスボン郊外にオフィスがある設計事務所で働いていて、リスボンから電車で西に30分ほどのリゾート地、カシュカイスに住んでいるのです。カシュカイスは葉山と江ノ島を足して2でわったような観光地で、なかなか雰囲気があります。  

イネスと一緒に、ポルトガル料理の夕飯。アサリの酒蒸しとタコのサラダ、そして「ポルトガル風・パンのおじや」を注文しました。パンのおじやには生卵を落としてかき混ぜ、蓋をして蒸してたべるのですが、これが絶品!夕陽の中で久しぶりに再会したイネスとの会話も弾む中、素敵なカシュカイスの夜が更けていったのでした。 
   
日本・ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントとして丸の内カフェ(千代田区丸の内3ー3ー1、新東京ビルヂング1F、フリースペース)で開催中の「PORTUGAL~Arte e Poesia」での私の作品展(6月1日~14日)およびポルトガルの旅の魅力を語り合う「トーク・セミナー」(6月30日、19時~)に連動して、昨年夏の私の旅行記をこちらに転載しました。現地の風景や美味しいものの写真、私の水彩画作品とともに、一緒に旅気分を楽しんで下さい。

PORTUGAL~Chapter I (リスボン1日目!)










日本・ポルトガル通商修好条約締結150周年記念イベントとして丸の内カフェ(千代田区丸の内3ー3ー1、新東京ビルヂング1F、フリースペース)で開催中の「PORTUGAL~Arte e Poesia」での私の作品展(6月1日~14日)およびポルトガルの旅の魅力を語り合う「トーク・セミナー」(6月30日、19時~)に連動して、昨年夏の私の旅行記をこちらに転載しました。現地の風景や美味しいものの写真、私の水彩画作品とともに、一緒に旅気分を楽しんで下さい。

フランクフルト経由でリスボンに到着したのは前日深夜、ホテルにチェックインしたのは日付が変わってからでしたので、私にとっては本日が「ポルトガル初日」になります。ちょっとゆっくり朝寝をして、とりあえずは短時間の市内観光コースに参加するのが良いだろうと、バイシャ・シアード(旧市街中心部)駅前にあるホテルから地下鉄で観光バスの集積地になっているポンバル侯爵広場(Parque Marques de Pombal)へ。ここでグレイラインの1.5hrsコースに参加し、市内の要所巡りに出発です。

広場からホテル近くの旧市街(バイシャ地区)を通って、テージョ川方面へ。コメルシオ広場を右折して、市西部(ベレン地区)に向かいます。ベレン地区には世界遺産のジェロニモス修道院をはじめ、ランドマークになっている開拓者のモニュメントや美術館・博物館が集中しています。
途中、San Franciscoの金門橋そっくりの吊橋(Ponte 25 de Abril)を見かけました。似ているのは当然。だって、同じ建設会社が「全長2,278mの欧州一長い吊橋」として1966年に建設したものだからです(=姉妹橋?)。
そしてバスはいよいよジェロニモス修道院(Mosteiro dos Jeronimos)の近くに。その荘厳さと巨大さに絶句…。バスの中からではカメラのファインダーに収めるのは不可能な大きさなので、後日ゆっくり戻ってくる事にしました。この修道院はエンリケ航海王子がヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見を記念して礼拝堂(Igreja de Santa Maria)を中心に建立した修道院で、マヌエル様式の粋を集めたもの。完成までに300年以上かかったそうです。もしかして、私がこれまでの人生で見た建物の中で、単一の世界遺産建造物としては最大級かもしれません。

バスは再び市内中心部に戻り、市北部にある動物園や巨大ショッピングセンターなどを回って再びポンバル侯爵広場へ。ツアーを離れ、とりあえず広場の近くのレストランで遅いブランチ。名物・イワシの塩焼き=写真①=を頂きました。日本と全く同じ塩焼きですが、これをパンの上に載せてジャガイモなどと一緒に食べるのがポルトガル風。「ご飯が欲しい~」と思いながら、塩気で喉が渇いてコカコーラ・ライト缶を2本空けてしまいました。
再び地下鉄に乗って、旧市街へ。バスから見えた不思議な鉄塔(Elevador de Santa Justa)に向かいます。これは高低差の大きい旧市街と隣接する住宅地(Bairro Alto)をつなぐエレベータです。ケーブルカーや路面電車もあるし、地下鉄の駅のエスカレータがあるのでこれに乗らなくてもバイロ・アルトの人たちは高台に上がることが出来るので、今ではほぼ観光用です。エレベータは往復2.8ユーロ。でも私は市内の地下鉄、路面電車、ケーブルカーに乗り放題チケット(7 Colinas、5日間で19ユーロ)を買ったのでいちいち料金を払う必要はありません。

塔の上から市内をぐるり360度眺め、どこで絵を描こうか、太陽の当たる角度を見ながら考えます。美しい夕焼けを描こうと、バイシャの東側の高台を見ていたら、城壁のようなものを発見。そこに向かうべく、路面バスに乗ることにして、その前にこの塔を下から見上げる構図でササっとスケッチ。ポルトガルでの1枚目です。
何に乗って良いのか分からないので、ガイドブックに乗っていた風光明媚な場所の写真に写っていた路面電車の番号「28」に当たりをつけました。するとこれが大正解!最初はベレン方面に向かって走り出し、10分も走ると終点に。そこから折り返す路面電車に乗ると、バスは小路を抜けて、急な坂を上がり、自分が泊まっているホテル近くのカモンエス広場を横切りました。そして再びバイシャへの坂道を下りて旧市街を抜けると、今度はカテドラルや先程見つけた城壁の近くの公園を抜ける坂道を上がり始めます。アルファマ地区に差し掛かり、道はどんどん狭くなる中、路面電車は家の壁ギリギリをズンズン抜けて行きます。

グラサ地区の終点で再び折り返しの路面バスに乗り換え、今度こそ高台の城壁を目指します。見晴らしの良い公園がある高台の停車駅で降りて、石畳の急な坂道をさらに5分ほど登ると、そこにはサン・ジョルジュ城が。もう夕方6時過ぎになっていましたが、係員のおじさんに開園時間が21時までだと教えられ、入城料5ユーロを払って中へ。古代ローマ時代の砦を基礎に、5世紀の西ゴート族、9世紀のイスラムとムーア人、12世紀のレコンキスタの末のキリスト教徒、14-16世紀はポルトガル王家と代々城主が代わったこのお城はまさに「歴史のミルフィーユやぁ~」。

城壁の上を歩いてポジションを把握し、朝方に観たつり橋方向のテージョ川に落ちる夕陽=写真②をスケッチしました=写真③。
描き終えるとだいぶ薄暗くなってきたので、再び28番の路面電車に乗ってホテルに戻りました。夕飯はホテル近くのポルトガル料理レストランのトリンダーデへ。入り口で話しかけてきたイタリア人紳士(NINO)と一緒に店内へ。一緒のテーブルに着いておしゃべりしながら、タラの塩焼きとポテト(Bacalhau Assado)の夕飯です=写真④。NINOは英国で教育を受けた経営工学の教授だそうで、ブリティッシュ・イングリッシュを話すとてもインテリなおじいちゃん。イタリア好きの私とミラノやローマなどイタリア旅行の時の話が弾んだのでした。 

June 10, 2010

My Favorite Things!



Apart from Portugal, just for a while, I went to Din Tai Fung at Takashimaya Departmentstore in Tokyo's Shinjuku district. Just next to Gyoza, pot stickers, I love juicy dumplings at the Taiwan-based restaurant. (As a matter of fact, I visited the headquarter in Taipei, too! Why? Because I love it!)
http://www.dintaifung.com.tw/en/index.asp

I usually concentrate on eating ONLY steamed dumplings there. Because...just like said by Confucius (???)...Everyone has his trade! Though I have tried some other dishes at the restaurant, nothing else could surpass the great taste of its unique and delicious dumplings.

So, I ordered 2 baskets of dumplings -- one is mixed with crab meat and shrimps, the other is only original pork dumplings.

Look at the juicy things inside!!! I put thin sliced gingers on the top of the dumpling and eat. Mmmmmm...Yam, yam, yam!!!

ちょっとだけポルトガルを離れて、この日は大好きな小籠包を新宿高島屋の県泰豊で頂きました。小籠包は私にとって、餃子に次ぐ大好物のひとつ。餃子のように簡単にお家で作れないこともあって専門店に行く事も多いのですが、このお店は大好きなのでヘビー・リピーターです。何を隠そう、好きが高じて台湾の本店までわざわざ食べに行ったこともあります。

孔子曰わく(?)「餅は餅屋」ってことで、このお店ではもっぱら小籠包しか頂きません。麺やチャーハン、炒め物など何度も試してはいるのですが、このジューシーな小籠包に勝る味には未だお目にかかれず・・・がっかりするぐらいなら小籠包だけ食べてればいいや、ってことで、ひたすら小籠包を食べます。 

中から熱々のスープがこぼれ出すので、レンゲに乗せてから、細切りしたショウガに酢醤油を含ませて小籠包の上に乗せ・・・口の中が火傷しないように、フーフーしながら食べます。

この日はオリジナルのポークを1籠、そしてカニなどシーフードがミックスされたお得な「盛り合わせ」を1籠頂き、ビールを飲むこともなく、ただひたすら小籠包を味わったのでした・・・あぁ、幸せ♪

June 2, 2010

PORTUGAL--Arte e Poesia@丸の内カフェがスタート!


It will be the 3rd round art show of the year and the 1st time for me to hold an exhibition at the Marunouchi Cafe, in the midst of Tokyo's business district. The special event in the year of 150th Anniversary of Japan-Portugal Trade/Culture Treaty "PORTUGAL--Arte e Poesia" has just begun yesterday. At the beautiful venue, I'm showing 11 watercolors painted in Portugal last summer! They turn out just perfect at the Marunouchi Cafe!!


Thanks to the great help of IDEE staff members, as well as my co-producers Mom and Dad, I was able to settle all of my art pieces on the wall. They look out just perfect at the Marunouchi Cafe!!


I'm looking forward to seeing many people enjoy my art from Portugal.


Another talented illustrater, Mr. Nakabayashi, or Nakaban-san, is also showing some of his art pieces at the venue. He is really good!!


東京・丸の内カフェでのポルトガル風景画展示が始まりました。昨日、初日の夜にちらっと立ち寄ったのですが、遅い時間でしたがけっこう込み合っていて、真剣に勉強をしている人や書籍に目を通しながらリラックスしている方々の傍らで、熱心に私の作品をご覧になっている方が何人もいらして・・・嬉しかったです!


私の作品展示は14日(月)までです。会場には、やはりポルトガルとの縁が深いイラストレーター・nakabanさんの作品も展示されています。

May 15, 2010

My Next Watercolor Exhibition in Marunouchi, Tokyo!!



Again! Another art show for my watercolors from Portugal will start on June 1 (through 14th). The venue will be at Marunouchi Cafe, near Tokyo Station, Imperial Palace, ran by Mitsubishi Estate.
I will show 10 pieces from the last summer's trip to Portugal. Details can be found in their official homepage. http://www.marunouchicafe.com/gallery/index.html#20106130

I hope many people will come and enjoy my watercolors from Portugal.
Hope to see you there!!

プラハ展が終わってまだ半月も経たないというのに・・・もう次の作品展が始まります。今回は、やはり昨年夏に「プラハの帰り」に旅したポルトガルの風景画です。

場所は三菱地所とIDEEが運営するイベントスペース「丸の内カフェ」。丸の内のオフィス街に位置しているため、お仕事帰りやショッピングのついでに多くの方が立ち寄る場所になります。
今回は約10点の作品展示を予定しています。会期は6月1日から2週間ですが、展示時間など詳細はホームページでご覧いただけます。 なんだかドキドキしてきました♪

今回も沢山の方にご覧いただけること、楽しみにしています!
作家は期間中の土日の14-18時頃まで会場にお邪魔している予定ですので、お待ちしております。

May 8, 2010

My Tunisia Visit 2010


Believe it or not! I'm now in Tunisia to visit Ritsuko who works in Tunis. Though this is not my first time being in this country, there are many views I have to paint.

Here is one of my most favorite sites in Tunis, Sidi Bou Said. When I was painting this piece, a locar art gallery owner let me use his cusion to sit down. Kids and other visitors stayed with me until I finished painting.

I will visit other sites, such as medina (old city) in Tunis and beautiful green areas in northern regions.
GWの後半は、急ぎ足でチュニジアにやって来ました。

今回のおもなミッションは、チュニジアの首都チュニスに駐在している学生時代からの親友・律ちゃんに「炊飯器を届ける」ことでしたが(=ミッションは無事、完了!)、もちろん絵も描いています。

チュニジアの中でもお気に入りの場所のひとつ、地中海に面したチュニスの北にあるシディ・ブ・サイドで絵を描いていたら、町のギャラリーの方が「これをお使いなさい!」と石の上に腰かけていた私にクッションを貸してくれました。

この他にも、チュニスの旧市街などでも絵を描きました。短い滞在時間(正味4日)ですが、なかなか充実したスケッチ旅行になりそうです。

April 29, 2010

Time Sure Flies! (@Cafe Ano, Watercolor Exhibition April 24-25)



It is really...Time Flies. It's been more than 10 years since I met my best friend from high school, Naochan. She came to see me and my watercolors at Cafe Ano in Omotesando. As I really wanted to see her, I was so delighted when Naochan came in the cafe.

Naochan brought her sweet boyfriend, Dae-yan (not his real name, of course, but only I call him like this). I was so happy, having dinner together & sharing wonderful time with Naochan and Daeyan.
And...Time Surely Flies again, because only 2 days are left for my 1-month-long art exhibition!
More than 100 people, based on the number who left their name on the guest book, came to see my watercolors! I wish Ritsuko were here, too. And Ondrej, who has the original key to open this door of special opportunity, were here with us.
I will be at the venue tomorrow and the day after tomorrow.
So...it is not too late for you to see me and my watercolors from Prague at Cafe Ano in Omotesando!!